NHK連続テレビ小説「なつぞら」
放送開始当初から朝ドラ初の全編アニメーションのオープニングとして話題になった「なつぞら」。ヒロインであるなつがアニメーターを目指す物語ということでこの全編アニメーションのオープニングが誕生しました。
朝ドラ「#なつぞら」のオープニングが……。
好きィ……。。(謎の敗北感に震えつつ) pic.twitter.com/wqQFEEZb7a— ラヴィ(╹◡╹*)名作愛✨ (@lovekakin) June 23, 2019
「なつぞら」第1回の放送直後からオープニングに対する反響は大きく、ジブリにも似ているとTwitterなどでも話題となりました。
「なつぞら」でアニメーション監修を担当しているのは舘野仁美さん。舘野仁美さんはスタジオジブリで宮崎駿さんや高畑勲さんとともに仕事をした方です。ジブリと似ているという意見も納得がいきますよね!
今回は「なつぞら」で、アニメーション監修を担当している舘野仁美さんについて詳しく調べてみましたのでお伝えします。
舘野仁美の経歴
舘野さんって基本いつもニコニコされてますが、急にガツンとギアが入ってキリッとした顔になり、物凄く心にグサッと刺さるような事を仰ったりします。
やはり数十年、一線で活躍された方。#なつぞら#井浦新#あさイチ #ササユリ#ササユリカフェ pic.twitter.com/SHTGMAcDbx— いずみ包(ぽお) (@poizm) 2019年6月14日
舘野仁美さんは1960年に福島県で生まれます。東京デザイン学院卒業後は1983年「テレコム・アニメーションフィルム」に入社し動画を担当します。この「テレコム・アニメーションフィルム」には当時宮崎駿さんや高畑勲さんらが在籍していました。
1987年、宮崎駿さんが設立したスタジオジブリへ移籍。それから「となりのトトロ」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」など数多くのヒット作品の動画チェックを手掛けました。
動画チェックとは、アニメーターが描いた線と動きをチェックする仕事です。動画の線はアニメーションの生命線とも言える大切な部分であるため、その生命線を管理する仕事です。
2014年のスタジオジブリ映画制作部門の解散により、スタジオジブリを退職。その後は都内に「ササユリカフェ」を経営する傍ら株式会社「ササユリ」を設立しアニメーション制作部門を立ち上げます。
舘野仁美が関わった主な作品
1988年「となりのトトロ」
1989年「魔女の宅急便」
1991年「おもひでぽろぽろ」
1992年「紅の豚」
1994年「平成狸合戦ぽんぽこ」
1995年「耳をすませば」
1997年「もののけ姫」
1999年「ホーホケキョとなりの山田君」
2001年「千と千尋の神隠し」
2002年「猫の恩返し」
2004年「ハウルの動く城」
2006年「ゲド戦記」
2008年「崖の上のポニョ」
2010年「借りぐらしのアリエッティ」
2011年「コクリコ坂から」
2013年「風立ちぬ」「かぐや姫の物語」
2014年「思い出のマーニー」
スタジオジブリのヒット作の数多くに動画チェック、動画として関わっていました。「となりのトトロ」~「風立ちぬ」まで宮崎駿監督作品にはほとんど参加しています。舘野仁美さんの仕事への情熱と優秀さが評価されてのことだと感じます。
ササユリカフェ
舘野仁美さんはスタジオジブリ退職後は「ササユリカフェ」を開業しカフェ経営に専念していました。
そしてキーマカレー(*゚▽゚)ノ
#ササユリカフェ pic.twitter.com/cEiMIUONgs— hajime okano (@zou_san2010) May 4, 2019
もうご存知かと思うけど、NHKの新しい朝ドラ『なつぞら』のアニメーション監修は、西荻にあるササユリカフェ @sasayuricafe の舘野さんがやってます。https://t.co/H3VizZGQDe pic.twitter.com/ynfz9WtmTz
— 西荻案内所 (@nishiogi_info) April 2, 2019
舘野仁美さんはスタジオジブリで働いていた頃から、スタンドカレーのお店をやってみたいという気持ちを漠然と持っていました。2014年のスタジオジブリの映画制作部門解散をきっかけに、カレーを食べられるカフェの経営に本格的に取り組みます。
現在も「ササユリカフェ」は女性客を中心にくつろげるカフェとして人気です。共になつぞらでアニメーションを担当している刈谷仁美さんの個展が現在「ササユリカフェ」で開催されています。
ササユリカフェさんの、かりや展最高でした✨
刈谷さん、アニメーター寮の時からファンなので嬉しかった〜〜!なつぞら、映像好きです🙏✨やっぱり線が丁寧で柔らかくて、繊細な所もあって、お会いした事ないけど、とっても素敵な方なんだろうな☺️ pic.twitter.com/GUyxTphCMg— もちち⊿ (@eien_no_gosaiji) June 24, 2019
ササユリカフェが気になったあなたのために基本情報をお伝えします♪
営業時間 11時30分~22時(21時30分ラストオーダー)
定休日 火曜日、水曜日(不定休あり)
住所 東京都杉並区西萩北3-16-4 小美濃本社ビル4階
電話番号 03-6913-7615(電話予約可)
2019年5月30日~8月19日までは「かりや展」開催のため終日立ち見営業となっています。刈谷仁美さんのなつぞら関連グッズも発売中!
著書 エンピツ戦記がすごい
エンピツ戦記、読ませて頂きました。舘野さんの並々ならぬ板挟みっぷり。苦労は絶えなかったと思いますが、縁の下の力持ちとしてのマンパワーがジブリ作品のクオリティを保っていたのだと思います。ササユリカフェ、行ってみたいなぁ♬#エンピツ戦記 pic.twitter.com/gkkA0En0xu
— しいたけ@この世界の片隅に。 (@Hottakeshi) November 28, 2015
舘野仁美さんは2015年12月にスタジオジブリ時代の仕事について赤裸々に綴った「エンピツ戦記」を出版しました。スタジオジブリで27年間動画チェックをしてきた舘野仁美さんがスタジオジブリの広報誌である「熱風」に連載していた原稿をまとめた本です。
「エンピツ戦記」ではスタジオジブリでの仕事の様子がリアルに書かれており、人間関係に悩んだこと・作品を作り上げた時の達成感・宮崎駿さんへの尊敬の念などが詳細に綴られています。
舘野仁美さんは動画チェックの仕事を地味だけれど縁の下の力持ちと表現しています。その仕事を宮崎駿さんの近くで27年もやり遂げたのはスゴいの一言です!
舘野仁美さんは鈴木敏夫プロデューサーからこの本の書き出しを「私は宮崎駿のせいで結婚できませんでした。」にしてほしいと言われ、「私は宮崎駿と鈴木敏夫のせいで結婚できませんでした。」と返したそうです。2人信頼関係と仕事の過酷さどちらも感じられるエピソードですね。
最後に
日本中から愛される大ヒット作品を生み出し続けたスタジオジブリ。そのたくさんの偉大な作品は宮崎駿さんという偉大な存在があったからこそですが、その周りで懸命に仕事をしていたスタッフたちもまたその功労者です。舘野仁美さんもその一人ですね。
「なつぞら」は本編でもアニメーションが使われています。今後も重要なシーンでまたアニメーションが見れそうで楽しみですね!