NHK連続テレビ小説第101作目「スカーレット」。いよいよ、喜美子の陶芸への挑戦が始まりました!
昭和44年、秋。川原家の庭に、穴窯が完成します。
中学を卒業して、大阪にひとり働きに行く喜美子が見つけた焼き物のかけら。室町時代のものだと言われたそのかけらの色合いは、薪を焚いて作る陶芸の方法で偶然出た色合いでした。
喜美子を励まし続けてくれたそのかけらの色合いを出して、他の誰かを励ましてあげたいという夢をかなえるため、喜美子は穴窯での焼き物作りに挑戦することになります。
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喜美子役、 #戸田恵梨香 さんが印象的なエピソードを語る「今週のきみちゃん」vol.18が公開されました
幼馴染、新しい挑戦…激動の一週間でしたね…!#スカーレット▼今週のきみちゃんVol.18「穴窯完成!うれしい気持ちと複雑な気持ち」https://t.co/OiDrO2tmfR
— 朝ドラ「スカーレット」第17週 (@asadora_bk_nhk) January 24, 2020
ここで私が気になったのは、「穴窯」について。
「穴窯」って、どんな窯?
薪のお金がかかる、って言うけれど、どれくらいかかるの?
そんな疑問について、調べてみました♪
〜もくじ〜
「穴窯」ってどんな窯?
地下構造の独特な穴窯。
奥に煙道が見える。
10年前は豊かではないが、村全体に焼物の村としての自負が感じられた。あの景色を探したが見つからない。 pic.twitter.com/8ZsgwSbcfp— ひろくん (@driftertonton) March 29, 2017
日本では、古墳時代に初めて、須恵器を焼くための穴窯が登場します。それまでの土器は、ろくろを使わないで形を作り、野焼きしていました。野焼きは、地面に浅く穴を掘って土器を入れ、薪やわらなどをかぶせて焼く方法です。ろくろを使って形を作り、窯で焼く須恵器は、大陸から伝わった最先端の技術でした。
穴窯は、地中に穴を掘って造った「完全地下式」のものと、丘などの傾斜している所に屋根をつけて造った「半地上式(または半地下式)」の二つがあります。
現在、陶芸に使われる窯には、電気窯、灯油窯、ガス窯、薪窯などがあります。穴窯は薪窯の一種で、薪を使って焼き上げる、伝統的な窯です。
陶芸の森園内・窯の広場には登り窯、金山再現窯、両たき式角窯、ビードロ窯、イッテコイ窯など現在も使用している大小さまざまな薪窯があります。見学は自由ですので興味のある方は是非お越し下さい。 pic.twitter.com/Mdl3HfMfpj
— 滋賀県立陶芸の森 (@tougeinomori) January 26, 2020
薪で焼く穴窯は、電気窯、ガス窯に比べ、焼くための管理は難しく、人手も日数もかかります。安定して焼くのは得意ではありませんが、その一方で、個性的な作品が焼き上がります。どんな作品が焼き上がるか、焼き上がるまでわからない、という不安と期待が両方味わえます。
穴窯にはどのくらいお金がかかるの?
25万…#スカーレット pic.twitter.com/Kj5pzrEak2
— 朝ドラ「スカーレット」第17週 (@asadora_bk_nhk) January 27, 2020
ネットなどで現在の穴窯の制作費を調べると、小さいもので100万円くらいから造れるようです。(本体工事のみ、出張費は別)。
スカーレットでは、夏から秋にかけて二人の職人さんが窯を作っていたので、人件費もそれなりにかかっていたのではないでしょうか。
また、薪の値段もかなりかかります。喜美子の計算では、失敗した一度目の窯焚きで15万円、二回目の窯焚きで25万円の薪代がかかっています。
日本銀行の発表した資料では、平成30年の物価は昭和40年のおよそ4.2倍。喜美子が穴窯を造ったのが昭和44年なので、ざっくり言って一回の薪代は、今のお金で60万円から100万円くらいかかっていたと言えそうです。
窯業研究所の柴田も、丸熊陶業でも薪で焼くやり方はやめてしまった、薪で焼くのは今はぜいたく品や芸術品、と言っていましたが、うなずける値段ですね。
これからの展開!喜美子の穴窯は成功する?
八郎の反対を振り切り、二回目の窯焚きに挑戦した喜美子。でも、今回も目指すような色を出すことはできませんでした。
三回目に挑戦するために喜美子は研究を続けますが、武志のために積み立てていたお金まで使おうとする喜美子に八郎は強く反対します。いったんやめや、という八郎の言葉を納得しないまま受け入れる喜美子でしたが、やはり挑戦したい気持ちを止めることができませんでした。
言い合いの末、二人の意見はすれ違ったまま、とうとう八郎が武志を連れて家を出て行ってしまいます。
八郎から武志を預かっていた照子が、八郎ときちんと話すよう、喜美子を説得しにやってきます。自分のやりたいことをやるのに誰の許しもいらない、ひとりもええなぁ、とつぶやく喜美子に、照子が必死に訴えます。
「喜美子、目ェ覚ませ!目ェ覚ましてくれ!」
喜美子「武志はうちが預かる!」
照子 「目ぇ覚ましてくれ、なぁ 目ぇ覚ませ」
何なの?!来週 ハチと喜美子に何が起こるの? 怖いわ 怖いわ~っ! #スカーレット 次週予告より pic.twitter.com/Mcy0GlWQ0E— ひぞっこ (@musicapiccolino) January 24, 2020
武志を連れ帰ってきて、三回目の窯焚きに挑戦する喜美子でしたが、今回も失敗に終わりました。立ち直ることができない喜美子に、信作と百合子が大阪の動物園の入場券を武志の分と喜美子の分の二枚、渡してくれます。信楽の外の空気を吸ってきたほうがいい、という気持ちも込められていました。
大阪で、なつかしい荒木荘の人たちに会って、力をもらう喜美子。覚悟を決めて、借金をしてでも穴窯を続けることを決めます。
こうして ただ画面いっぱいに荒木荘時代のメンバーが勢揃いしてるっていうだけで、それだけでもう 嬉しい! #スカーレット pic.twitter.com/s9bMRJNv12
— ひぞっこ (@musicapiccolino) February 1, 2020
四回目の窯焚きも失敗、五回目の窯焚きでやっと求めていた色合いの一部をつかみかけます。六回目の窯焚きも成功には至りませんでしたが、窯焚きの日数の長さについてのヒントをつかむことができます。
ですが、七回目の挑戦をするのに必要な収入がありません。喜美子と八郎の別居のうわさが町に広がり、かわはら工房へ仕事を依頼する人が減ってしまっていたのでした。このピンチを、ひろ恵の持ってきた大口の依頼が救ってくれました。突然やってきた草間の励ましも、喜美子を強く力づけました。
喜美子が六回の窯焚きの失敗から見つけた答えは、薪を二週間燃やし続けるということでした。心配した八郎がかわはら工房にやってきて、喜美子を気遣う言葉をかけますが、喜美子の決意は変わりませんでした。
七回目の窯焚きが始まります。二週間、燃やし続け、窯の一部は壊れて炎が噴き出します。火を消そうとするマツを止め、喜美子は薪を次々に投げ入れ、火を燃やし続けます。そしてできあがった器は、喜美子が求め続けていた美しい色をしていました。喜美子はとうとう、夢をかなえたのです。
本日スタート! 戸田恵梨香主演『スカーレット』初回の反響は? #スカーレット #戸田恵梨香 https://t.co/81AHlXU71E pic.twitter.com/MOPsw6SZOI
— クランクイン! (@crank_in_net) September 30, 2019
実在モデルについて
信楽陶芸家 神山清子先生の工房を訪ね、信楽の伝統的な薪を使う穴窯を見学します。先生が得意とするアイディア満載の技を使って楽しみながら器づくりをします。3月14日(土)(特別講座)筆で動物の絵を描いてみよう!参加者募集中!申し込み詳細はHPをご覧ください。https://t.co/8WCm0va6hI pic.twitter.com/nNLmTQQMm1
— 滋賀県立陶芸の森 (@tougeinomori) January 18, 2020
ヒロイン喜美子の実在モデルは、女流陶芸家の神山清子さんです。
神山さんは1963年、27歳で、陶芸家として独立しました。そして、自宅を工房にして、半地上の古代穴窯、「寸越窯(ずんごえがま)」を造ります。
この寸越窯で、神山さんは、釉薬をかけずに穴窯で焼く焼き物作りに取り組みます。そして、温かみのある緋色(ひいろ)を出すことに成功します。寸越窯は、事前に問い合わせをすれば、見学もできます。
寸越窯
住所:滋賀県甲賀市信楽町勅旨2202(滋賀県立陶芸の森入口20m右側)
TEL:0748-83-0259
FAX:0748-83-0259
不定休
喜美子の穴窯の秘密
本物の穴窯、「スカーレット窯」
このスタジオに設置された穴窯もすごいんだけど、1話冒頭で出てきた窯から炎が舞い上がってるとこは、滋賀県に設置した本物の穴窯なので、この1話冒頭のシーンに繋がる時にうまく繋がるのかがとても楽しみ#スカーレット pic.twitter.com/TeI7mGqdqX
— (@scarlet_love101) January 26, 2020
喜美子が薪を入れ、本物の火を焚いて陶器を焼いている穴窯。その撮影のために、滋賀県信楽の山中に、スカーレット撮影専用の本物の穴窯、「スカーレット窯」が造られました。
冒頭で大人のきみちゃんが真剣な表情で向き合っていた窯ですが、なんと…一から作ってます#スカーレット #朝ドラ pic.twitter.com/iJwpRSkvAl
— 朝ドラ「スカーレット」第17週 (@asadora_bk_nhk) September 29, 2019
川原家の庭のセットの大きさに合わせて大きさが決められたスカーレット窯。窯の向きや出入口の位置なども、撮影に適しているかどうかが考えられて造られています。
また、実際に1300度の高温まで温度が上がるため、地元の消防団の皆さんにも待機してもらうなど、安全面にも考慮して撮影が行われています。
およそ一か月をかけて、窯作りのプロが造った窯ですが、喜美子や武志が手伝っていた様子がうかがえるように、わざとラフに仕上げています。
スタジオセットの穴窯
武志くん「穴窯な、上手くいくようにいーっぱいお願いしとくな」#スカーレット pic.twitter.com/gK5gKzQVpC
— 朝ドラ「スカーレット」第17週 (@asadora_bk_nhk) January 24, 2020
川原家やかわはら工房は、NHK大阪放送局の中のスタジオセットで撮影されています。そのセットの中、川原家の庭にも、穴窯があります。信楽山中の「スカーレット窯」に外観を合わせて造られています。
本格的な穴窯を作っているのが凄いな。本気で作ったら、こうなる。薪の量も凄いな。大阪放送局は、朝ドラに愛情を惜しみなく注いでいるな
視聴者にも伝わってる。#スカーレット pic.twitter.com/0KxG3LeAr5— yuminasora (@nagsmafe15894) January 24, 2020
さらにもう一基、セットの穴窯が存在します。こちらは、窯の内部の撮影用に造られたものです。
合計で三基の喜美子の穴窯。どのシーンでどの窯が使われているのか、想像しながら見るのも楽しいかもしれませんね♪
最後に
穴窯での作品作りにこだわる喜美子と、いったん穴窯から離れようと喜美子を説得する八郎。立場の違いが、夫婦の関係にも影響して、見ていて辛い描写が続きますね。喜美子も八郎も、どちらも間違っていないと思えるので、視聴者には落ち着かない日々が続きそうです・・・。
穴窯での作品作りが成功して、明るい展開になる日を待ちたいと思います♪