NHK連続テレビ小説第101作目「スカーレット」。
穴窯への挑戦とひきかえに、八郎との暮らしを失った喜美子。喜美子の七回目での穴窯の成功を見届け、めおとノートに「すごいな、すごいな、すごいな、喜美子」という言葉を残して、八郎は信楽を去っていきました。
喜美子と離婚した後は陶芸を休み、「一から出直す」と言っていろいろな土地を転々としていた八郎ですが、どこでどんな暮らしをしていたのでしょうか。
信楽を離れていても、信作に頼んで武志に手紙をわたすなど、川原家のことは気にかけてくれていた様子がうかがえます。
今回は、信楽を去った後の八郎がどうしていたのかについて調べましたので、ご紹介します!
7度目の挑戦#スカーレット pic.twitter.com/vZWQkTAIRj
— 朝ドラ「スカーレット」第20週 (@asadora_bk_nhk) February 4, 2020
京都・陶磁器研究所
喜美子と別居してしばらくは信楽に住み、武志ともしばしば会っていた八郎。ところが、喜美子と別居した原因が、八郎と若い女性の弟子である三津との関係にあるといううわさが信楽の町に広がります。
それを聞きつけた窯業研究所の柴田が、空きが出たから、と言って、移ることを勧めてくれたのが京都の陶磁器研究所。喜美子の穴窯の成功をきっかけに、八郎は京都に移ります。
八郎さんの胸の内は…#スカーレット pic.twitter.com/kG80Ew8K3X
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陶磁器研究所の実在モデル
陶磁器研究所の実在モデルとして考えられるのは、京都市産業技術研究所。京都市が設立した公的な施設で、伝統産業技術の後継者を育成するなど、産業支援を行う機関です。
大正5年に発足した京都市染織試験場と、大正9年に設立された京都市工業研究所が平成15年に京都市産業技術研究所として統合され、平成26年には、地方独立行政法人に移行しました。
統合前の京都市工業研究所では、窯業の指導が行われていました。
現在の京都市産業技術研究所の研究チームにも窯業系チームがあり、人材育成には、陶磁器コースや釉薬の技術を教えるコースがあります。
夏休みには、研究公開イベントの「京都ラボフェス@産技研」が開催され、電動ろくろの陶芸体験などにも参加することができます。伝統産業から先進産業までのさまざまな研究が公開され、子どもたちでも楽しめるたくさんのイベントが用意されています。
8月8日(土)「京都ラボフェス2015@産技研~夏休みものづくり体験デー~」を開催します!「体験コーナー」の参加申込みは7月17日まで。http://t.co/X6AWUOfT8w pic.twitter.com/MPylnAAOT7
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愛媛県
京都の陶磁器研究所で働いた後、八郎は愛媛に移ります。喜美子がそれを知ったのは、喜美子の個展会場で、柴田から聞かされてのことでした。そのとき、別居からは二年の月日が経っていました。
個展の芳名帳に記された、旧姓の「十代田八郎」の文字を見て、喜美子は八郎に離婚届を送ります。
愛媛の焼き物、砥部焼
八郎が愛媛で何をしていたのか、番組中では語られてはいないのですが、愛媛と言えば砥部焼(とべやき)という焼き物が有名です。八郎が愛媛で陶磁器関係の仕事をしていたならば、砥部焼に関わっていた可能性は高そうです。
[最近の再入荷]砥部焼窯元「千山窯」さんの「5寸深皿(写真右)」「8寸丸皿(写真左)」です。いずれも砥部焼の伝統的な絵柄「唐草」。飽きが来ず、長く定番として使いたくなる器です。
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砥部焼は、食器や花器などに使われることが多く、頑丈で丈夫なのが特徴の焼き物です。愛媛県の砥部町を主な産地にしています。
夫婦げんかで投げ合っても割れないという丈夫さから、別名は「喧嘩器」。愛媛と同じ四国にある香川県の讃岐うどんの器にも、よく使われています。
江戸時代からの伝統産業で、愛媛県の指定無形文化財でもあります。
名古屋・中部セラミック
高校二年になり、進路に迷っていた武志。父親に相談して進路を決めた、という友人たちの話を聞き、八郎に相談することを決めます。
信作経由で八郎から届いていた手紙を取り出して、武志が電話をかけたのは、八郎の勤務先の中部セラミックという名古屋の会社でした。
離れていても、親子の縁はずっと続いていますからね#スカーレット pic.twitter.com/5u0Wl14OAK
— 朝ドラ「スカーレット」第20週 (@asadora_bk_nhk) February 6, 2020
中部セラミックの実在モデル
セラミックとは、狭くは陶磁器、広くはガラスやセメントなども含んだ窯業製品全般を指します。包丁や、歯の治療などでも聞くことがありますね。
中部セラミックの実在モデルについて、特定はできませんでしたが、いくつかの情報は見つかりましたので紹介します。
江戸と京都の中間にあって、古くからものづくりの盛んな街だった名古屋。大小さまざまな陶磁器メーカーがありますが、有名なところでは「ノリタケ(現:ノリタケカンパニーリミテド)」があります。
名古屋には、現在、「ノリタケの森」という観光スポットもあり、陶磁器の見学や絵付け体験などもすることができます。
ノリタケの森が楽しすぎて1日過ごせそう pic.twitter.com/r91v83i6DK
— イチ (@72thinline) February 16, 2020
「名古屋セラミックス株式会社」という会社もあり、所在地も八郎の手紙にあった名古屋市守山区ですが、設立が昭和61年なので、微妙に時代がずれています。(武志が八郎に電話したのは昭和53年。)
最後に
一度は離婚してしまった喜美子と八郎ですが、元のような関係に戻るという情報が!
第20週のタイトルは、「もういちど家族に」。喜美子と友人になった小池アンリの絶妙なアシストや、信作、照子、武志の協力もあって、二人の間にあったわだかまりが溶けていく気配です。
再び、かわはら工房で仲良く陶芸に打ち込む喜美子と八郎の姿を見ることのできる日が近づいてくるようですね。その日を楽しみに待ちたいと思います♪