NHK連続テレビ小説第102作目「エール」。
裕一と音がようやく出会い、一気に距離を縮めています。
2人で作り上げる舞台は、音の歌声に涙を流す観客も出るほどの大成功となります。
そこで今回、私がエールで注目したのが音が入学する東京帝国音楽学校の創立記念公演で上演される「椿姫」です。
東京帝国音楽学校では、毎年創立記念日に大きな記念公演が開かれ、その舞台には学生の中でも特に優秀な生徒しか立てません。
音はその舞台に立つことを目標にレッスンに励みます。
今回はこの「椿姫」や今も実際に上演されているオペラ「椿姫」について調べてみましたので、ご紹介します♪
「椿姫」ってどんな曲?実在モデルも紹介!
音が通う東京帝国音楽学校では、毎年創立記念日に「鷹ノ塚記念公演」という大きな音楽会が開かれていました。
今年の鷹ノ塚記念公演の演目は「椿姫」です。
その音楽会にはレコード会社のスカウトの人たちも見にくるので、音楽家デビューを目指す生徒にとっては、舞台に立つことがデビューの近道になります。
そして東京帝国音楽学校では「椿姫」のオーディションが行われることになりました。
音も参加しますが、なんとか1次・2次と通過したものの、2次選考の審査員の一人であるオペラ歌手・双浦環から、音の歌からは何も感じられなかったと言われてしまいます。
「椿姫」のあらすじ
青年貴族アルフレードと、パリの社交界の高級娼婦のヴィオレッタは
互いに惹かれあっていました。
しかし、ヴィオレッタは結核を患っていて、
先が長くないことを自分でも分かっていました。
さらにアルフリードの父親は、
ヴィオレッタに息子の将来のために別れるように迫ってきます。
ヴィオレッタはそれを受け入れて、アルフリードに別れを告げました。
後にアルフリードはヴィオレッタが自分の意思で別れたのではないと知り、
ヴィオレッタのところへ駆けつけます。
しかし、ヴィオレッタの結核は悪化してしまっていて、
時すでに遅し、という状態なのでした。
音はこの物語を読んで自ら身を引いたヴィオレッタに「好きなら好きって言うべきよ!」と気持ちを理解できずにいたのです。
実在する「オペラ椿姫」のあらすじも同じ内容です。
1853年に小説を元に初めてオペラで演じてから、現在まで上演されるほど代表的作品です。
「『椿姫』は、ジュゼッペ・ヴェルディが1853年に発表したオペラである。原題は『堕落した女』を意味するLa traviata。日本では原作小説『椿姫』と同じ「椿姫」のタイトルで上演されることが多い。」 pic.twitter.com/WJ0r4uwE1M
— FakeRokuoLoto (@FakeRokuoLoto) 2020年3月21日
パリを舞台に、結核に侵されながらも夜の社交界で活躍していたヴィオレッタと青年貴族であるアルフリードの恋を描かれています。
アルフリードの純粋な愛情で、最初はバカバカしいと感じていた「真実の愛」に気が付いていくヴィオレッタ。
2人で幸せに生活していましたが、その幸せは長くは続きませんでした。
アルフリードの父が「高級娼婦のあなたのおかげで、息子は破滅に向かっている」と別れを迫ってきたのです。
自分の余命が短いことを話して許しを得ようとしたヴィオレッタでしたが、アルフリードの家族にも良くない影響が出ていることを知り、アルフリードから離れる決断をします。
本当の理由を告げずに、別の人と結婚すると嘘をつくヴィオレッタにアルフリードは激怒し、ヤケになった生活を送ります。
そこで父親から本当のことを聞きつけたアルフリードは急いでヴィオレッタの元に向かいます。
しかし結核が悪化してしまっていたヴィオレッタは医者から「もう長くはないでしょう」と言われていました。
医者の診断通り、ヴィオレッタは歩くことすらままならない状態でした。
アルフリードの父親も駆けつけ、皆に見守られながら、ヴィオレッタは「痛みが消えたわ… 私、生きられるのね!」と喜びながら、この世を去るのでした。
エールでの「椿姫」と音
東京帝国音楽学校での創立記念公演「椿姫」のプリマドンナは学校で一番の実力者と言われる夏目千鶴子で決まりと言われていました。
しかし諦めきれない音は父・安隆の「やらずに後悔するより、やって後悔」という信念を思い出して、オーディションを受けることにします。
1次審査当日の日、曲作りに悩む裕一が倒れてしまいます。
裕一の看病で時間ギリギリになってしまった音は、定刻を過ぎていると審査員にオーデション会場に入るのを阻まれてしまいます。
しかし、そのピンチを救ったのはライバルである千鶴子と裕一の同級生・久志でした。
周りの助けで1次審査を通過した音ですが、2次審査でも厳しい言葉が待っていました。
審査員として訪れていたオペラ歌手・双浦環から「何を考えて歌っていたか?」と質問を投げかけます。
「楽しいな」と思って歌っていた、と答える音に、環は「自分だけが楽しんでいるようでは何も伝わらない」と続けます。
環の言葉を受けて、カフェーの女給までして役作りをしてきた音が最終審査に挑みます。
ヴィオレッタが乗り移ったかのような音の表現力に審査員たちは惹きつけられ、音の可能性にかけてみようと、椿姫のプリマドンナは音に決まりました。
プリマドンナに選ばれたとは言え、千鶴子に比べれば実力が足りない音には厳しい稽古が始まります。
音の実力不足で、演出家からもダメ出しが相次いでしまいます。
なかなか稽古が進まないので、出演者の中には不満そうにしている人まで現れます。
引き続き監修として携わることになった環も息継ぎのタイミングから高温の出し方までマンツーマンでレッスンを続けます。
果たして音はプリマドンナとして、無事に舞台に立つことが出来るのでしょうか?
女神様からのお言葉✨
なんと透き通ったお声でお話しするのでしょうか…#エール#柴咲コウ pic.twitter.com/y7vlNXColI— おすかる♡竜二待機なんだし💜 (@osukru_andore) 2020年4月7日
第9週「福島行進曲」あらすじ
裕一は音と結婚して東京で暮らしながら、コロンブスレコードの専属作曲家として働いていました、
ある日、裕一は福島で新聞記者として働く鉄男を東京に呼び出します。
そこには2人の小学校のときの同級生で、音と同じく東京帝国音楽学校で声楽の勉強をしている久志の姿もありました。
裕一は鉄男に詞を書いてもらい、自分が曲をつけ、久志が歌うことを夢見ていました。
しかし鉄男は、用事があって頻繁に東京には来ているものの、今は記者の仕事が手一杯との返事でした。
今日はホワイトデー💙💙💙
福島三羽ガラスから、ハートのお返しです♪#朝ドラエール #エール #3月30日放送開始#ホワイトデー#福島#福島三羽ガラス#窪田正孝 (主人公・古山裕一)#中村蒼 (裕一の幼なじみ・村野鉄男)#山崎育三郎 (裕一の幼なじみ・佐藤久志) pic.twitter.com/aKG7DhpxjL— 連続テレビ小説「エール」 (@asadora_nhk) 2020年3月14日
翌日、裕一はコロンブスレコードの同期・木枯から早稲田大学の応援歌の完成を記念してカフェーに誘われます。
当時のカフェーとは風俗の一種でした。
以前、木枯に誘われて行ったときは、音にこっぴどく叱られていたので、裕一は断りましたが、強引に連れていかれてしまいます。
そこで福島という共通点を持つ「希穂子」という女給と出会います。
一方の音は東京帝国音楽学校の記念公演の「椿姫」の2次審査の真っ最中でした。
技術面では問題ないものの「あなたの歌からは何も伝わってこない」というコメントつきで2次審査を通過したので最終選考に向けて特訓が必要でした。
音はなんと裕一が行ったカフェーで役作りのために女給として働きだします。
時代がちょっとくだって昭和のカフェー。この頃になると体をすり寄せたりして接客する風俗的なスタイルがでてくる。もちろん女給さんは容姿が重視される。ところによっては店からの給金は出ず、チップを収入としていたところも。 pic.twitter.com/8ormWv2ksE
— ひもてだずん (@dorzenT) 2014年3月13日
カフェーのお客さん相手にも思ったことをそのまま口に出す音は、トラブルもしばしばありましたが、希穂子に優しく指導されながら役作りの参考にしていました。
ある日、音と希穂子が働くカフェーに鉄男がやってきます。
心配でたまらない裕一に頼まれて、音の様子を見に来たのだと言いますが、希穂子の顔を見て、絶句します。
2人は福島で付き合っていたのですが、鉄男の務める新聞社の社長からの縁談があり、希穂子は身を引いて上京してきたのでした。
鉄男はその後もカフェーに立ち寄り、希穂子と会おうとしましたが、ボーイに止められ、希穂子とはろくに話すことも出来ませんでした。
話せたとしても「もう迷惑だから帰って」という内容でした。
荒れる鉄男を裕一は久志と励ますと、地元の友達の温かさに鉄男もだんだんと冷静になっていきます。
そして裕一が以前取り組んで不採用になった地方小唄「横浜囃子」を聞いていて、密かに福島を題材に詞を書いていたのだと、差し出します。
鉄男の詞に裕一は曲をつけると、「福島行進曲」として初のレコードを出せることになりました。
6【浮世小路行進曲】初めての共鳴作業♪
作詞/村野鉄男 作曲/古山裕一
※のちの #野村俊夫 #古関裕而空にかかれし 満月の
地上に落ちて はかなくも
光里包みて 紅燈の
小袖を濡らす 涙雨※史実作に『福島行進曲/1931年』#朝ドラエール #エール #石田星空 #込江大牙 #森山直太朗 1920年 pic.twitter.com/pe53GZhj4K
— わび@さび (@think_literacy) 2020年4月5日
裕一の周りの人々はレコード発売を喜び、いきつけの喫茶店バンブーでお祝い会を開くことになりました。
音はそこに希穂子も誘います。
希穂子は鉄男に会わせる顔がないと断りますが、音の必死の説得により、希穂子はワインを持ってお祝い会に訪れました。
すぐに立ち去ろうとする希穂子でしたが、久志の提案で「福島行進曲」をかけていると、鉄男は希穂子に改めて気持ちを伝えます。
しかし、希穂子は鉄男の将来を思い、嘘をつき、精一杯の作り笑顔で去っていくのでした。
この一件で、男女が好きという気持ちだけではうまくいかない、ということを知れた音は、椿姫の最終オーディションでヴィオレッタの気持ちになりきって歌を歌います。
そして見事、オーディション合格を勝ち取るのでした。
最後に・・・
東京帝国音楽学校の創立記念公演の演目「椿姫」の内容と第9週のあらすじをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
音はオーディションの段階で、椿姫さながらの悲しい恋の物語を間近で見る立場になってしまうのですね。
恋愛経験の少ない音にとっては、驚きの連続だったかもしれませんが、鉄男と希穂子の関係を思って挑む最終オーディションでは、音自身が感極まって涙してしまうほどです。
人の気持ちを知り、歌手としても一回り成長する音を応援したくなるような気持ちでいっぱいになりそうですね。