NHK連続テレビ小説「エール」。
裕一はコロンブスレコードと専属契約したものの、なかなか採用には至らず苦しんでいますね…
ついには心労が重なって倒れてしまいます。
裕一が心労でダウンした・・・ #エール #nhk pic.twitter.com/pXiT4ETuiQ
— 純@無理せず生き延びよう (@njliner_Z0) 2020年5月14日
裕一の作曲する曲が不採用になる理由は、その作風にありました。
レコード会社はいくつかのレーベルを持っていて、実際に契約するのはレーベルです。
レーベルの人は「この人なら売れる!」と思って契約をするので、自然と曲風やジャンルが似てきます。
裕一が所属するのはコロンブスレコードの赤レーベル。
一方、裕一が尊敬する小山田が所属するのは青レーベル。
裕一は自分の所属するレーベルで求められている曲風とは異なった曲ばかり作ってしまのですね。
赤と青と何が違うのでしょうか?今回はこの赤レーベルと青レーベルの違いについて調べてみたのでご紹介します!
〜もくじ〜
赤レーベルと青レーベルの違いは?
コロンブスレコードでは、裕一が所属する赤レーベルは流行歌、青レーベルは西洋音楽とブランドを区別していました。
そして大衆が聴く赤レーベルの売上がコロンブスレコードの主な収益になります。
裕一は父・三郎の影響で西洋音楽を聞いて育ってきました。
音楽と言えば西洋音楽をイメージする裕一に突然、大衆で聴く流行歌なんてイメージが湧くわけもありません。
その点、裕一の同期の木枯は母親の鼻歌を聞いて育ったので、一般家庭に流れる音楽のイメージは湧きやすいのかもしれません。
廿日市は赤レーベルの曲のことを「居酒屋にいるおっさんたちに聴かせる音楽」「普通に盛り上がるメロディー」と表現しています。
木枯がカフェーで弾き語りをしたときに女給から「木枯さんのメロディーって心の傷に寄り添ってくれる」と表現しています。
裕一が減給されると聞いて、音は廿日市のもとを訪ねました😤
小山田先生の名前を出されると、弱ってしまう廿日市です。#朝ドラエール#二階堂ふみ#古田新太 pic.twitter.com/bzsjuTRZZa— 連続テレビ小説「エール」 (@asadora_nhk) 2020年5月14日
裕一は西洋音楽で賞を取ったという自負もありました。
本当なら今頃はイギリスに留学していたはずなのに…という思いも消えていません。
自分が学んできた音楽を捨ててまで、大衆を喜ばせる音楽を作ることに疑問を感じているところもありました。
コロンブスレコードで憧れの小山田に会えたときも「いつか先生のように青レーベルでも曲が書けるように頑張ります!」と挨拶してしまいます。
小山田は得意の西洋音楽の知識を活かして、青レーベルの重鎮としてコロンブスレコードで活躍していました。
裕一が音に会いに豊橋に行ったときに開いたコンサートの記事を目にした小山田が廿日市を呼び、裕一を赤レーベルで採用するように勧めます。
これを見ていた視聴者からは、陰謀説が飛び交っています。
小山田先生…裕一潰すために赤レーベルにとかじゃないよね…? #朝ドラエール #エール
— だ・だいくる (@ddicru) 2020年5月15日
#朝ドラエール#エール
小山田先生(志村けんさん)の推薦でコロンブスレコードと契約できたと張り切っているけど、小山田先生が裕一と話した感じだと裕一の才能を潰そうと赤レーベルのほうの契約にされたのかなと思った。— くねりん🍡お兄さん (@kune_rinmon0912) 2020年5月15日
もしかして小山田先生、ライバルを蹴落とすためにわざと赤レーベルで契約させたのでは?と思ったりしてる #エール
— こんぶ (@com_boo) 2020年5月15日
もしかして小山田さんは青レーベルの自分の地位を脅かされるのが嫌だから裕一を契約させて赤レーベル担当にさせたのか…?もしそうならダメだよ、けんちゃん。#エール
— CHISATO (@chisa_nkj0220) 2020年5月15日
Twitterでは、小山田が若い才能に嫉妬して自分の地位を脅かす存在にならないように、あえて自分とは違うブランドで採用を推薦したと推測する声があります。
第10週では裕一が作曲して売れなかった曲をオペラ歌手の双浦環がリメイクして発売するシーンがあります。
実は双浦環もコロンブスレコードの青レーベルの専属歌手です。
この件は、赤レーベルの作曲家の曲を青レーベルの歌手が歌うとは!と小山田が大反対します。
しかし、環は「なぜ先生は西洋音楽で評価を受けていた古山さんを、わざわざ赤レーベルに推薦したのですか?」と小山田に切り込みます。
黙り込んでしまう小山田を見て、環は小山田は若い才能に嫉妬していると確信します。
コロンブスレコードの実在モデルはどうだったの?
コロンブスレコードの実在モデルとされている日本コロムビアでは、エールのように赤/青だけではなく、もっと細かく分かれていました。
黒レーベル
昨夜チラッと述べた宝塚の演目「フーピー・ガール」のレコードと歌詞紙。コロムビア関西支社で撮影したと思われる写真には、指揮者の竹内平吉と思しき紳士とタカラジェンヌ達が。一人一人が誰だか分かったら凄いね、竹内の左隣に座る黒服の人は三浦時子かしら🙂。 pic.twitter.com/Jyfi06HfUy
— 懐メロ放浪人 (@REKOTETSU32) 2020年4月26日
昭和3年頃からアメリカのコロムビア・レコードと提携関係になり発売され始めたレコードです。
1枚1.5円(現在の価値で3600円ほど)での価格でした。
主にアメリカのコロムビア・レコードでの曲を取り直した洋楽や教育レコード・ピアノなど多彩な内容になっていました。
赤レーベル
ニッチクからレコードデビューしてる娘! pic.twitter.com/jZe8akGmjR
— 近衞騎兵 (@ranzosha) 2019年12月17日
公式規格では特赤盤と呼ばれています。
昭和15年頃から主戦まで発売されていて、価格は1枚1.85円でした。
アメリカのコロムビア・レコードとの提携が切れて、社名を日畜工業株式会社に変更したことから、レコードの商標も「コロムビア」から「ニッチク」に変更されています。
それまで続いていた洋楽レコードの発売は廃止になりました。
青レーベル
内本實は関西出身の声楽家で、コロムビアでは青盤声楽家として内外の歌曲を吹き込み、その後はタイヘイでも活躍。他の声楽家と違いポピュラー曲も積極的に歌っており、取り分けラテンナンバーでを得意としました。戦中はローマに滞在し、在伊邦人の子供らに音楽を教えています。 pic.twitter.com/8VL2ohbbTq
— 懐メロ放浪人 (@REKOTETSU32) 2019年7月7日
いわゆる高級レコードで、1枚2円で販売されていました。
長唄・歌舞伎・声楽・一部は邦楽もありましたが、気品高い方たちに向けた内容が多かったようです。
紫レーベル・緑レーベル・特殊レーベル
SP盤ではないが、佐々木章のEP盤「消防行進曲」。エオリックレコードなる無名のレーベルでの特殊盤。昭和35年制作。♪紅染めて昇る火に 男いのちの血は燃える~♪ 詩曲とも戦時歌謡のノリ。佐々木はコロムビア「露営の歌」の歌唱者の一人で、戦後は三波春夫のデビュー盤で作曲を手掛けている。 pic.twitter.com/6rJqJidS1x
— SP盤雑学ノート (@furoa78) 2019年11月30日
青よりさらに高級とな紫レーベルもありました。
1枚2.5円と高価で、予約や限定発売用に使われていました。
また山田耕作が選定した「音楽鑑賞教育」など、特別なものは緑レーベルとして発売されます。
さらに時代柄、軍歌や国家などもレコードとして発売されていて、それらは特殊レーベル扱いでした。
エールでは赤/青という2つのレーベルしか出てきませんが、実在モデルの日本コロムビアではもっと細かくレーベルが分かれていました。
赤・青2つだけで大人同士が揉めているエールですが、もっと細かく分けれたら衝突は避けられなかっただろうな、と思います。
最後に・・・
エールに登場する赤レーベル・青レーベルについて調べてみましたが、いかがでしたでしょうか?
一番安かった黒レーベルでも現在の価格で3600円と、今CDを買うより高い価格なので当時は音楽に触れることは本当に贅沢な時間だったのでしょう。
そんな豊かな時間に大人の事情が絡んでいるとなると悲しいですね…
エールでの小山田が嫉妬だけを理由に裕一を自分とは違うレーベルで採用させたのか、そんな理由で裕一が埋もれないように皆で裕一に「エール」を送りながら見届けたいですね!