NHK連続テレビ小説第102作目「エール」。
「船頭可愛や」のヒットで、作曲家として自信を取り戻した裕一。
鉄男も上京し、東京の音楽学校で学ぶ久志と合わせて、「福島三羽ガラス」が東京にそろいました。三人のわちゃわちゃした友情を見ていると、朝から楽しくなりますね♪
一方、椿姫のヒロインとしてがんばっていた音のもとに、赤ちゃんがやって来ます!
ヒロインと出産を両立するのは難しく、悩む音でしたが、今はいったん裕一に音楽の夢を預けることに。
半年後、元気でかわいい娘、華(はな)が誕生します。
廿日市が選んだ芸者歌手の藤丸は、本名が沼田松子という、げた屋の娘でした…!
想像と違いとまどう #福島三羽ガラス でしたが、驚きの美声を披露しました#朝ドラエール#窪田正孝#中村蒼#山崎育三郎#井上希美 pic.twitter.com/EeLVGmOEK9
— 連続テレビ小説「エール」 (@asadora_nhk) June 2, 2020
さて、今回私が気になったのが、東京編に登場するさまざまな場所のロケ地について。昭和初期のモダンでおしゃれな街や建物はどんなところで撮影されているのか、調べてみました♪
〜もくじ〜
コロンブスレコード
コロンブスレコードってどんなところ?
福島を飛び出し、音楽の道を進むことを決めた裕一。上京して、音と結婚し、作曲家として歩き始めます。
音の強いアタックでコロンブスレコードと年間3500円で専属契約を結び、流行歌の赤レーベルに所属することに。
コロンブスレコードに初出勤の裕一
会社の前で記念写真#朝ドラエール#窪田正孝 pic.twitter.com/TlSaf92WgR— 連続テレビ小説「エール」 (@asadora_nhk) May 16, 2020
ところが、なかなか曲は採用されず、スランプにおちいる裕一。同期の木枯と励ましあいながら、曲作りに励みます。
ディレクターの廿日市に振り回されながら「福島行進曲」でデビュー、この曲はヒットしませんでしたが、次の曲「船頭可愛や」でとうとうヒットを飛ばします。
数年が経ち、裕一は作曲家として安定した生活を送っています。そのころ、コロンブスレコードでは新人歌手の募集をすることになります。
デビュー曲の作曲をするのは裕一。裕一もよく知る人たちが、このオーディションに参加します。
デビューを飾るのは、誰になるのでしょうか?
実在モデル、日本コロムビア
裕一の実在モデルの古関裕而さん、木枯正人の実在モデルの古賀政男さんが同じ時期に専属契約を結んでいたレコード会社は「日本コロムビア」です。
#朝ドラエール
裕一が木枯に紹介された歌手の山藤太郎。昨日の放送ではスタジオで「丘を越えて」を録音していましたが…実際、古賀政男作曲「丘を越えて」を歌ったのは、藤山一郎さん
後に、#古関裕而 作曲「長崎の鐘」を大ヒットさせます‼︎
は昭和30年代頃の
古関先生と藤山さんの貴重な1枚 pic.twitter.com/xUpBGHjXOs— 古関裕而 コロムビアレコード【公式】 (@koseki_columbia) May 19, 2020
古関裕而さんは1930年にコロムビアの専属作曲家として契約、1935年には「船頭可愛や」で大ヒットを記録します。
その後、「長崎の鐘」、「栄冠は君に輝く」、「オリンピック・マーチ」など、生涯に作曲した曲は5000曲を超えています。
古賀政男さんは1931年にコロムビアと契約、1934年にテイチクに移籍します。その後、1938年にコロムビアに復帰します。
作曲した曲は5000曲とも言われ、「古賀メロディー」と呼ばれて愛されています。
現在も、演歌から歌謡曲、JーPOPまでたくさんの歌手が在籍しています。氷川きよしさん、松山千春さん、スターダストレビューなども、日本コロムビア所属です。
コロンブスレコードのロケ地はどこ?
大きく正面に「コロンブスレコード」と看板があげられている建物の外観。撮影されたのは、茨城県つくばみらい市にある野外ロケ施設「ワープステーション江戸」です。
#エール【ワープステーション江戸】コロンブスレコードのビルとして使われているのは #いだてん ロケで多用された「ワープステーション江戸」の一角にあるビル(セット)。#なつぞら に登場したときは 高層化した新宿を表現するために CGで縦二段積みの処理がされていました。#朝ドラエール pic.twitter.com/7N3AEOODGC
— ひぞっこ (@musicapiccolino) May 25, 2020
「ワープステーション江戸」は、2002年にテーマパーク「歴史公園ワープステーション江戸」としてオープン、現在はNHKエンタープライズが管理するロケ施設として使われています。
2020年3月までは有料で一般公開されていましたが、現在は撮影専用施設になっています。
江戸時代の街並みや戦国時代の城などがあり、大河ドラマでは「真田丸」、「軍師官兵衛」などが撮影されました。
民放の作品や映画も撮影されていて、「JINー仁ー」などもここで撮られています。
2018年には大正・昭和の「近現代エリア」が完成し、当時の東京の街並を思い出させるようなセットも作られました。
大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」もここで撮影され、「なつぞら」では新宿の街として使われています。
「エール」でも、東京の街以外に川俣町の街並みがここで撮影されています。
そんなコロンブスレコードでは、室内セットにもたくさんのこだわりが。
優雅でおしゃれなサロンは、洋風の先進的な造りが特徴的です。
録音室は、資料の少ない中で検討を繰り返し、そのころものすごいスピードで進化していた録音技術を反映するものに。
演奏家たちと歌手がいっせいに演奏して録音しているのは、当時の資料に基づいています。
東京帝国音楽学校
東京帝国音楽学校ってどんな学校?
音、久志が通う「東京帝国音楽学校」
教会のようなクラシカルな外観に洋風な内装が印象的です音楽学校でお2人のシーンが多い二階堂さんと山崎さんは、撮影の合間によくお話されています♫#朝ドラエール#二階堂ふみ#山崎育三郎 pic.twitter.com/z6zJyTaA00
— 連続テレビ小説「エール」 (@asadora_nhk) May 18, 2020
音は裕一と同時に上京、試験に合格して上京から半年後に東京帝国音楽学校に通い始めます。
同級生には抜きんでた実力を持つ夏目千鶴子がいて、二人は記念公演のヒロインの座をめぐって争うことに。
カフェーでアルバイトをして、鉄男と希穂子の悲しい恋からヒロインの気持ちをつかみ取った音は、ヒロイン役に抜擢されることになります。
そのころ、同じ学校の三年生に在籍していたのが、裕一の幼なじみの佐藤久志。
久志は「プリンス」と呼ばれる学校のスターで、いつも周りにはファンの女生徒が群がっています。
実在モデル、帝国音楽学校
音の実在モデルである金子さんが通っていたのは、世田谷区代田(せたがやくだいた)にあった帝国音楽学校の声楽部本科でした。愛称は、「帝音(ていおん)」。現在の小田急線世田谷代田駅近くになります。
金子さんはそこで声楽を学び、実力を絶賛されていました。「トスカ」などの舞台にも出演していますが、子育てが忙しくなり学校は中退してしまっています。
地元世田谷で、朝ドラエールのモデル 古関裕而さん縁の地を散歩(=^ェ^=) 妻の金子さんが通った帝国音楽学校は世田谷代田駅のすぐ近くにあったそうな。代田の住宅地にある北沢川緑道文学の小路。経堂小学校校歌は古関さんの作。 pic.twitter.com/WFqA3oSzwQ
— キヌタビト (@kinutabito) May 25, 2020
同じ時期に帝国音楽学校に通っていたのが、久志の実在モデルである伊藤久男さんです。
伊藤さんは1910年7月生まれで、1912年3月生まれの金子さんより実際には一学年上に当たります。
残念ながら、帝国音楽学校は東京大空襲で焼けてしまい、1945年5月に廃校になってしまっています。
東京帝国音楽学校のロケ地はどこ?
モダンですてきな東京帝国音楽学校。高い天井、長い廊下も印象的ですね。
庭では、久志や音がベンチで語り合っていたり、ときには群れない千鶴子さんが独りでランチしたりしています。
そんな東京帝国音楽学校のロケ地は、茨城県立土浦第一高等学校旧本館です。
エールの音が通っている東京帝国音楽学校の校舎が素敵だなって思っていたら、茨城県の土浦一校の旧館を使ってるんですね#朝ドラエール pic.twitter.com/xoERDfTow4
— 仙台坂 (@sendaizaka2018) May 25, 2020
茨城県立土浦第一高等学校は茨城県土浦市にある共学の進学校で、東京大学をはじめとする国立大学や、早稲田大学などの私立大学にも多くの卒業生が進学しています。
ロケに使われた旧本館は、1904年に旧制土浦中学校本館として建てられ、1976年に国の重要文化財に指定されています。
部活動の展覧会や部室などの校内の活動に使われるのはもちろん、結婚式場として使われることも。
映画やドラマのロケ地としても使われていて、NHKのドラマでは、「白洲次郎」、「坂の上の雲」、朝ドラ「おひさま」などで使われています。
一般公開もしていますが、団体などの見学は、土浦第一高等学校の同窓会を通して届けが必要になります。
http://www.sin-syu.jp/kyuuhonkan.html
東京、古山家
東京の古山家ってどんな家?
東京で住む家がなかなか見つからず、歩き回って疲れた裕一と音がふらりと入った喫茶店、バンブー。
「いい家ないかな」、とつぶやいた音に、マスターの妻が、「あるわよ、裏の家」、と声をかけます。
すぐに不動産屋さんを紹介してもらって中を見せてもらった家を、二人はすっかり気に入ります。
中庭や縁側があり、ピアノを置いて裕一の仕事場にできそうな広い部屋もあるこの家。また、音が通うことにしている音楽学校からも近くにあります。
予算は少し超えているけれど、二人はこの家で暮らすことにします。
裕一と音の新婚生活がはじまりました
新居でウキウキのお2人です♪#朝ドラエール#窪田正孝#二階堂ふみ pic.twitter.com/RlQ7YqP1mP— 連続テレビ小説「エール」 (@asadora_nhk) May 10, 2020
東京の古山家実在モデル
裕一・音夫婦の実在モデルである古関裕而さん・金子さん夫妻は、福島で裕而さんのご両親としばらく一緒に暮らしたあと上京、まずは阿佐ヶ谷にあった、金子さんのいちばん上のお姉さんの家に住んで住むところを探します。
そして、金子さんが通うことになる帝国音楽学校の近く、世田谷区代田に家を借ります。
【あんな家出ではなく……】
福島での新婚生活を経て上京した古関夫妻は、金子の長姉夫妻宅(阿佐ヶ谷)に居候したあと、世田谷の代田に新居を構えます。帝国音楽学校が近いというのがその理由でした。そのころの写真がこちら。モガ感はご本人のほうが強い? pic.twitter.com/vTZqJKIszC— 辻田 真佐憲@『古関裕而の昭和史』(文春新書)重版決定 (@reichsneet) May 8, 2020
金子さんの通学に便利だという理由で、世田谷区代田に住み始めた古関さん夫妻。その後、およそ60年を代田で暮らしています。
裕而さんは、駅前のタバコ屋さんでタバコを買って、そのあと和菓子屋さんに寄るのがお気に入りだったとか。
ご夫婦でお散歩していることもあり、一時期ご近所に住んでいたコメディアンの萩本欽一さんがその姿をよく見かけていたといいます。
東京の古山家、ロケ地はどこ?
東京の古山家は、家族のつながりを意識して作られた美術セットです。
中庭を中心にしてそれぞれの部屋が作られていて、家族が他の部屋にいてもその気配を感じられるような配置になっています。
それぞれがそれぞれを想いあう、裕一・音夫婦をイメージさせるような間取りですね。
裕一の実在モデルである古関裕而さんの実際の住まいも参考にしていて、外壁や調度品などもその時代のものを参考に作られています。
仕事場の様子は、福島の古関裕而記念館で再現され、展示されている書斎を参考にして作りこまれています。
#エール【仕事部屋】仕事部屋の間取りを見た瞬間、二人がこの物件に決めるの わかっちゃったよね。だって、第1話で 裕一が 東京オリンピックマーチを書き上げた部屋と同じなんだもん。 #朝ドラエール pic.twitter.com/jUqZKMCc7l
— ひぞっこ (@musicapiccolino) May 8, 2020
喫茶店バンブー
バンブーってどんなところ?
裕一と音が暮らす家のすぐ前にある喫茶店、バンブー。
と、言うより、そもそも裕一たちに借家を紹介したのはバンブーのマスターの妻、恵です。
穏やかなマスター、保と、マスターのかなり個性的な妻、恵。二人は、東京で暮らす裕一夫妻の世話をよく焼いてくれています。裕一夫婦だけでなく、鉄男や久志もしばしば顔を出しています。
オペラ「椿姫」のヒロイン役の気持ちがつかめない音のために、なぜかバンブーで久志プロデュースのお芝居が上演されたこともありました。
#エール 第42回
バンブー劇団による
椿姫鑑賞中の裕一さん、
後頭部が終始かわいい#朝ドラエール pic.twitter.com/Um837saB6c— あーや (@ayari_libra0806) May 26, 2020
バンブー、実在モデル
バンブーの実在モデルについては、詳しい情報が見つかりませんでした。
「エール」オリジナルの喫茶店の可能性が高そうです。
バンブー、ロケ地はどこ?
バンブーの裏口を開けたらすぐ古山家。奥には自転車さんがあって、酔っぱらった裕一が自転車につまづいたりしていることも。
そんなバンブーも、室内セットで撮影されています。
コーヒーカップが竹の形だったり、カウンターの照明の笠が竹になっていたりと、いろいろなところに竹のモチーフが使われています。
おしゃれなステンドグラスも、よく見ると竹。梶取夫妻は、いったい、どれだけ竹が好きなのでしょうか・・・。
その秘密は、いずれ明らかに!
喫茶バンブー照明や壁が竹なのは気づいてたけど
珈琲の匙まで竹!
恵さんの言う通り 出産は命懸けの仕事#朝ドラ #エール #NHK #窪田正孝 #野間口徹 #仲里依紗 #喫茶バンブー #竹 pic.twitter.com/xv7GieMYNB— 葉月めい (@_may_august_) June 3, 2020
最後に・・・
いかがだったでしょうか?東京編のロケ地についてご紹介しました。
明るくおしゃれな昭和初期から、少しずつ暗い時代へと移り行く東京。これから、裕一たちの暮らしや音楽はどんなふうに変わっていくのでしょうか・・・。
それでも、今はモダンな雰囲気をこころゆくまで楽しみたいと思います。
第13週でいったんお休みし、再放送に入る「エール」。古関さん夫婦の姿を思い浮かべながら、もう一度東京編を見返してみるのもおもしろいかもしれませんね♪