史実と実在モデル

おちょやん鶴亀家庭劇と実在モデル松竹家庭劇の違いを解説!

いよいよ始まった朝の連続テレビドラマ小説第103作、「おちょやん」。
新型コロナ感染症の拡大を受け、前作の「エール」の放送が延びた関係で、異例の11月末のスタートとなりました。
NHK大阪放送局制作らしい遊び心のある展開に、「エール」とはまた違った方向ではまっている人もたくさんいるようです。

まんちゃん
まんちゃん
大阪放送局制作の朝ドラ常連の俳優さんたちもたくさん出演しているね
ぷくちゃん
ぷくちゃん
12月11日には海原はるか師匠が「知らないおっさん」役で登場して、お約束の髪をなびかせるギャグでネットを沸かせていたね(笑)

ヒロイン・千代は貧しい家に生まれ、小学校にも通えずに道頓堀の芝居茶屋に9歳で奉公に出ます。
そこで目にした芝居の世界に憧れ、女優の道を志し、京都の映画撮影所などで働いたのちに大阪で「鶴亀家庭劇」に加わることになります。
そこで今回は、おちょやんで登場する「鶴亀家庭劇」についてご紹介します。

鶴亀家庭劇と実在モデル:松竹家庭劇の違いは?

鶴亀家庭劇について

おちょやんのヒロイン・千代は幼い頃に女中奉公に出され、奉公先で芝居の世界へ興味を持ちます。
そんな千代が参加するのが「鶴亀家庭劇」です。

鶴亀家庭劇は人気喜劇一座の座長であった天海天海の息子・一平が旗揚げにも関わった劇団です。

奉公先を飛び出して既に映画への出演などを重ねていた千代は、何度か鶴亀家庭劇に助っ人として参加しているうちに本格的に鶴亀家庭劇のメンバーとして参加するようになります。
やがて一平と千代は結婚して喜劇の発展に奮闘するのですが、一筋縄ではいかない世界なので、山あり谷ありの運命が2人を待ち受けています。

まんちゃん
まんちゃん
助っ人から昇格するなんてすごいね!
ぷくちゃん
ぷくちゃん
でも2人の運命はどうなっちゃうの?

鶴亀家庭劇の実在モデル:松竹家庭劇について

おちょやんで成田凌さんが演じる天海一平の実在モデルである2代目・渋谷天外が、かねてから脚本や芝居の相談をしていた曽我廼家十吾に誘われて、昭和3年の9月に共に旗揚げしたのが「松竹家庭劇」です。
「松竹家庭劇」を立ち上げた翌年の昭和4年には2代目・渋谷天外を襲名、全国的に活躍します。
その翌年の昭和5年には、ヒロイン・千代の実在モデルで松竹家庭劇の女優でもあった浪花千栄子さんと結婚します。

ところが結婚の翌年、松竹家庭劇の柱であった曽我廼家十吾が突然脱退の意向を示し、松竹家庭劇は解散せざるを得なくなります。

曽我廼家十吾とは・・・
曽我廼家十吾は幼い頃から父親がしていた新聞配達の仕事を手伝いながら大道芸のモノマネをして人々を楽しませていました。
新聞配達の面白い子どもがいると話題になり、即興芝居で有名な一座の子役の代役を務めるほどになりました。

その後いろいろな一座を転々とします。
気に入らないことがあると揉め事を起こしていなくなってしまうので、「ドロンの文吾(曽我廼家十吾さんの本名は西海文吾)」・「トンズラの十吾」とまで呼ばれていましたが、当時はアドリブ王として活躍する喜劇俳優となっていました。
渋谷天外よりも15歳も年上なので、天外は相談相手としても十吾を慕っていました。そして、二人で一緒に「松竹家庭劇」を立ち上げます。

「おちょやん」では、曽我廼家十吾をモデルにした喜劇界のアドリブ王、須賀廼家千之助(すがのやせんのすけ)を、ほっしゃんこと星田英利さんが演じています。

しかし、もともと松竹家庭劇は当時、人気を博していた劇団に対抗して松竹が立ち上げた劇団でもありました。松竹が再結成を呼び掛け、その後は大阪だけでなく東京へも進出して庶民の笑いを誘いました。
松竹家庭劇の笑いは、きっちりした台本ではなく、どんどんと観客を舞台に巻き込んでいくアドリブ形式で人気を博しました。

戦後になると渋谷天外は曽我廼家十吾と対立してしまい、浪花千栄子さんと共に松竹家庭劇を脱退してしまいます。
しかし、もともと対抗する劇団としていた「曽我廼家五郎劇」と「松竹家庭劇」が合体して「松竹新喜劇」が発足します。
この時に再び渋谷天外と浪花千栄子さんも合流し、戦後という混乱社会の中に溶け込み始め、庶民に受け入れられて行きました。

まんちゃん
まんちゃん
松竹って言ったら、今もある日本の芸能の会社だよね!?
ぷくちゃん
ぷくちゃん
こんなに昔から庶民のお笑いや芸を追及してきていたんだね!

松竹芸能と吉本興業

新喜劇と言えば大阪を思い浮かべる人も多いかと思いますが、大阪には「おちょやん」で登場する松竹芸能と2017年の朝ドラ「わろてんか」でモデルとなった「吉本興業」という2つの勢力があります。

この2つの事務所は長年ライバル関係にありました。
もともとは松竹が高額のギャラで吉本の芸人を引き抜いたことが始まり、とも言われていますがつい30年ほど前までは共演もNGだったほどでした。
その共演NGが解かれたのが、1990年に放送された「さんまのまんま」での明石家さんまさんと笑福亭鶴瓶さんの共演です。
今では普通に思える組み合わせですが、長い歴史があるわりに最近の解禁だったのですね。

松竹芸能

松竹芸能は昔からの芸というイメージが強く、作品や役者の名前が今でも引き継がれてします。
笑いだけではなく、時には涙を誘ったり、人の情に訴えかける作品を得意としています。

時代が変わっても同じ作品を繰り返し上演するので、松竹新喜劇の製作に長年携わるスタッフからは「松竹新喜劇は今の空気を通わせるよう、もっと新作が必要」と新聞インタビューで語っていたこともあるほどです。

まんちゃん
まんちゃん
確かに伝統芸のようなイメージがあるよね!
ぷくちゃん
ぷくちゃん
芸名も古風なものが多いもんね。

吉本興業

吉本興業の笑いは、しつこいくらい何度も同じギャグを繰り返す「お約束」のパターンが多いです。
ギャグを言えるスター芸人さんが一人見つかると一躍スターとなり、間寛平さんの「かい~の」などのギャグでは80年代の吉本のお笑いを支えました。

時事ネタを得意として、時代に合わせた芸をどんどん取り入れて観客たちからの笑いを誘います。
そのスタイルは今でも変わらず、テレビの世界でも明石家さんまさんをはじめとして、巷で人気になっているものをもう笑いに取り入れるのか!?と思ったことがある方も多いのではないでしょうか?

まんちゃん
まんちゃん
さんまは取り入れるのが早い!
ぷくちゃん
ぷくちゃん
テレビ番組だとその場で習得してることもあるもんね(笑)

最後に・・・

つい数年前にライバル会社とも言える吉本興業の創業者をモデルとした「わろてんか」が作品になったばかりなのですが、松竹と吉本でこんなにお笑いの作風が違うことを改めて知り、朝ドラの雰囲気も違うんだろうな~、と楽しみになりました!
主要キャストも子役から大人の俳優さんたちへと変わり、ますますおもしろくなってきた「おちょやん」。
どんな展開が待っているのか、期待したいと思います♪